人生には「まさか」がある。

 過去にとある偉人が「人生には3つの坂がある。上り坂と下り坂、そして“まさか”だ」という名言を残したそうです。上り坂と下り坂。この二つは分かりやすいですが、まさか、というと恐らく全く想定外の事態に突然遭遇してしまうことを言っているのでしょう。こう書いてみると仰々しいですが、例えば「子供のころ苦手だったものが大人になって食べられるようになった」だとか「以前は大好きだったけど最近はそうでも……」だとか。細やかかもしれませんが、こういうのもこの「まさか」に分類されるのではないでしょうか。人間は成長していくにつれ、感性や感覚が徐々に変化するものです。そこにふとしたきっかけでこれまで関わりがなかったものに触れ、自身も驚くような変容を遂げることは、決しておかしなことではないと思います。私のその最たるものと言えばサッカーだったわけですが、ここにきて最近それに並ぶようなものにドハマりしてしまったので、とりあえずこの衝動を誰かに打ち明けたくて、今回久々に書き綴らせていただきました。画像なんかも一切出てこないめちゃくちゃな長文になりますが暇な方はお付き合いください。

 さて、既に前置きが長々としていますが、つまりお前が今回沼落ちしたジャンルは何ぞ?という話です。単刀直入に申し上げましょう。

 

 

 まさか私がジャニーズにはまるなんて……!!

 

 

 結論から述べますと、私はジャニーズ事務所に所属するKis-My-Ft2というグループの特に横尾渉さん推しになってしまいました。

 

 

 元々別にジャニーズのアンチというわけではないので、「TOKIOだったら国分くんが好きかな~」だとか「SMAPだったらゴローちゃんが好きかな~」だとかいうふわっとした「好き」の感情はありました。けれど私は最近よくある漫画やゲームのミュージカル、舞台、実写化といった3次元に片足突っ込んだようなメディア展開は、地雷とまではいかなくとも割と苦手な体質で、ラブストーリー系のドラマはキスシーンもまともに見られないくらい共感性羞恥レベルが高いです。なのでジャニーズとかいうその最前線を突っ走ってるような人たちについては、もう極端に言ってしまえば全く違う世界の住人の方々という認識でしかありませんでした。それが何故今度発売されるアルバムを予約購入し、意識して彼らの出演する番組を見るようになってしまったのか……それを今から書こうと思うんですが、人間って興奮しすぎると記憶飛ぶじゃないですか。私がキスマイにハマってきたの約1か月前からなんですよ。この1か月間分の興奮でちょっと時系列とか情報とかおかしなところがあるかもしれませんが、そこはフィーリングで流していただけると嬉しいです。

 まず前提条件として「そもそもハマる前の私がどれだけキスマイのことを知っていたのか?」ということからですが、ファンの方にぶん殴られることを覚悟で答えると「……そんなグループも……いたような……?」レベルでした。「ラブライブ好きのオタクアイドルの宮田くん」の存在は何となく風の噂で知っていましたが、彼がキスマイメンバーということは知らなかったですし、顔も存じ上げてませんでしたし。当然他メンバーの顔と名前、楽曲の知識はゼロ。言ってしまえば全く知らないといっても過言ではありませんでした。ゴールデンタイムの番組にいくつも出てるのにそれはないんじゃないの!?と自分でも思いますが、私基本的にテレビ見ないんです。よく見てる番組なんて、職場の休憩室で流れるヒルナンデスのファッションチェックのコーナーくらいのもんです。

 加えて未来の推しである横尾さんに対してのファーストインプレッションもひどいもんでした。

 

 「何だこの人」

 

 >>>何だこの人<<<

 

 ……これに関しては言い訳させてください。私初めて横尾さんの顔と名前を認識したのが多分キスマイの冠番組「10万円でできるかな」のクイズ懸賞アプリ参加回なんですよ。ゲストの方が目当てだったのであんまり意識なかったですけど。想像してみてください。何の事前情報もなしでタキシード着た男性たちの映像の中に、突然頭に鉢巻き巻いて法被着た男性の画像差し込まれたら「何だこの人」って思うでしょう!?てっきり「この番組の名物スタッフなのかな?」とか思ってましたよ!後々「あれ横尾さんだったんじゃんwwww」と気付いて爆笑しましたけども!

 散々な印象から始まっていますが、それでは何からキスマイに興味を持ったのかというと、前述のとおりそのクイズ懸賞アプリ参加回のゲストがきっかけでした。QuizKnockという東大生が中心のWebメディア兼YouTuberなんですが――めちゃくちゃ面白いので是非検索してみてください――法人化されてましてCEOを東大最強の知識王こと伊沢拓司さんが務めていらっしゃいます。で、その伊沢さんは「東大王」という東大生VS芸能人のクイズ番組に出てまして、その東大生チームには鈴木光ちゃんというとても美人さんがいらっしゃいます。その光ちゃんが「プレバト!!」という別の番組にも出てるらしいぞ、ということでキスマイメンバーが数多く出演されてるこの番組見てみることにしたんです。芋蔓式な感じですね。結構この番組も面白いな~と見てたら、名人側の席にふと目が向きました。梅沢さんとか東国原さんとか知っている顔が多いな、と思っていると一人だけ「誰?」となる人が。それが横尾さんでした。この時点では「ジャニーズにも名人がいるんだ」くらいの感想でしたが、既にこの番組で俳句が好きになっていったので、いろんな人の俳句を調べてみようと思ったんです。それで横尾さんの俳句にも触れまして。何故か自然と「この人プレバトの他のコーナーにも出てないのかな?」となったんです。ここら辺どういった思考の移り変わりがあったのか正直覚えてないんですが、多分素直に横尾さんの俳句が心の琴線に触れたんだと思います。「籐椅子の脚もとにある水平線」とか「夜に入りて雨となりにし花万朶」とか好きですもん。無意識に「もっとこの人の活躍しているところが見たい」と感じたんでしょうね。調べると横尾さんは料理がうまくてそれでも才能アリをとったことがあると知りまして、その様子を是非知りたいなと思ったんですが、中々見つけられなくて。紆余曲折あってキスマイの冠番組「キスマイBUSAIKU!?」の横尾さんの料理回抜粋シーンに辿り着いたんです。

 沼落ちしました。即堕ち二コマもビックリ。料理上手すぎワロタwwwwいや、これで好きにならない方が無理でしょう!?ここから「プレバトに出ている横尾さん」から「キスマイでの横尾さん」に急速に興味を持ち出します。キスマイの母ってワードが出た時点で「こりゃ駄目だ」と思いましたね。私母属性持ちには即死レベルで弱いんで。それでいて実際は三兄弟の末っ子だから甘え上手の年上キラーなところがあって?虫とお化けが大の苦手で?あのクールな風貌からは想像できない噛み癖をお持ち?萌え属性詰め放題福袋か??あとスカイダイビングの時に初めて見たスーツ姿が爆イケすぎて腰を抜かしました。きりっとしたお顔立ちだからああいうフォーマルなかっちりした衣装が似合うんでしょうね。それと担当カラーがオレンジなのもいいです。私が応援してるサッカーチーム(V・ファーレン長崎)のチームカラーオレンジなので。長崎にもロケにきてますしね。そんな使わないって言うのもありますけどキスマイのラッピング列車があったなんて全然知りませんでした。私の中でのラッピング列車はやっぱサガン鳥栖です。……話がめちゃくちゃ脱線しましたがとにかく横尾さんに対して「好き~~!!」という感情しか湧かないということしか分かりません。この感情を伝えきる語彙力を持っていないことが恨めしいです。

 更に調べていくにつれ、横尾さんは歌と踊りが苦手であるということも知りました。確かに独特の癖をお持ちであるかなとは感じます。生意気を言うようですが、万人受けはしないタイプの癖だとも。私なんかが横尾さんの心情を推し量るなんて烏滸がましい話ですが、アイドルとして最重要な軸二つにコンプレックスがあってさぞ苦悩されただろうと思います。それでも何か自分の強みを探そうと俳句や料理は勿論、ペット介護士やマグロ解体師一級といった様々なジャンルに挑戦し、足掻き続ける姿が私はめちゃめちゃ好きです。スマートな王道のアイドルの姿とはかけ離れているのかもしれません。でもだからこそ、横尾さんは誰にもなれない唯一のアイドルになれるんだと、私は強く主張したい。

 横尾さんの存在を皮切りに、キスマイの他のメンバーのこともどんどん好きになっていきました。あまり個人個人を知らなかったときはフロントの三人と舞祭組の四人でメンバー仲はがっつり分かれてるもんだと思ってたんですけど、全然そんなことなくて本当に良かった。あとこの前「アメトーーク!」からキスマイがMCを務める「少年倶楽部プレミアム」を続けて見たんですけど、全く同じトーンで見続けられたんですよね。推しの色眼鏡がかかっているからかもしれないんですが。それでもキスマイはバラエティがうまいという話をチラホラと見ましたし、話の間とか空気の読み方とか、展開の仕方とかを愚直に生真面目に模索しているということがしっかりと伝わってきました。ここまで知って、感じて、応援したいと思わない方が無理な話です。

 最後になりますが、前述したとおり私は元々アンチジャニーズというわけではないのでふわっとした「好き」の感情を持ち合わせてはいました。でもここまで「このアイドルはもっと大きくなれる」という明確な熱量をもって好きになったのはKis-My-Ft2、そして横尾さんが初めてです。大変な新参者ではありますが、これまで支えてきてくださった先輩ファンの方々に敬意を表するとともに、これから細やかにですが影ながら応援していきたいと思います。とりあえず今度のアルバムが楽しみだー!それではこんなとっ散らかった大長文にお付き合いいただき、ありがとうございました!